
総務省発表の『情報通信白書平成19年度版』によると、2006年度日本の情報サービス産業の年間売上高は16兆7293億円と、過去最大を記録しました。このうち、システム・インテグレーションサービスの占める割合は、35.4%にものぼると言います(JISA調べ)。
日本政府は、前述のIT戦略本部主導のもと、2006年1月に「IT新改革戦略」をスタート。その中で、今後のIT政策の重点の一つとして、「IT経営の確立による企業の競争力強化」を挙げ、2010年までに、企業経営をITによって最適化する企業の割合を、世界トップクラスの水準に引き上げることを目標に定めました。実際ここ数年企業のIT投資は堅調に推移しており、今後も、医療や金融など制度改革の進む分野を筆頭に、システム・インテグレータの活躍の場は、まだまだ拡大していくと言えそうです。
一般的にSIerを整理・分類するときは、その設立の経緯によって、「ユーザー系」、「メーカー系」、「独立系」の大きく3つにカテゴライズすることが多いようです。
「ユーザー系」とは、金融機関や商社など、高度なシステムを利用する企業のIT部門からスピンアウトして出来たSIer、「メーカー系」は、サーバーやコンピュータなどのハードウェアメーカー系列のSIerを指します。一方「独立系」とは、その名の通り、親会社を持たないSIerのことです。
各SIerの特徴としては、例えば「ユーザー系」SIerは、その元となった企業の業種系システムの構築を得意とし、「メーカー系」は、親会社が製造するハードウェアに関する知識で他社に圧倒的な強みを持つなどといった点が挙げられるでしょう。「独立系」に関して言えば、親会社を持たないため、特定の会社の製品にとらわれずに最適なシステムを構築できることが、そのままセールスポイントとなります。
このように、出自によってある程度そのSIerの特徴を掴むことが可能です。が、あくまでもこの分類は便宜上のものであり、当然こうした類型からは見えてこない、企業個別の特徴も多く存在します。例えば一口に「独立系」SIerと言っても、システムの「構築」そのものに大きく注力している企業もあれば、「保守」や「管理」といったフェーズを得意とする企業もありますし、また導入時のコンサルティングやシステム設計を主業務とする企業もあります。得意とする業界や技術に関しても、各企業さまざまな特色を持っていると言えるでしょう。
自分がなぜそのSIerで働きたいのか―。説得力ある志望動機を語るためには、会社研究をしっかりと行って、そうした特色を掴むことが欠かせません。一般消費者ではなく企業を相手にビジネスを行っているところがほとんどであるため、業務内容や会社の特徴をなかなかイメージしづらいことも事実ですが、だからこそ逆に、「会社のことをどれだけわかっているか」がそのまま他の志望学生との差別化のポイントにもなりえるのです。SIerへの就職を志望する方は、会社案内などのパンフレットやホームページを読み込んだり、OB訪問をするなりして、十分な会社研究を行ったうえで選考に臨むことをおすすめします。