
| 『人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない』 | |
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著:フレデリック・P・ブルックス Jr.
30年変わらぬ開発現場の悩み訳:滝沢 徹、 富沢 昇、牧野 祐子 アジソンウェスレイパブリッシャーズジャパン 3,045円(税込) 本書はIBM在籍中に「プログラムマネージャー」としてSystem/360用OS(OS/360)の開発に携わった著者が、ソフトウェア開発やそのマネージメントについて、その経験を踏まえて記した一冊だ。1975年に発売された原書に、何章かの書き下ろしを加えた増補版となっている。システム開発に固有の問題点と、その効果的な対策について具体的に記されており、プロジェクトマネージャーにとっては古典ともいえる名著だ。 著者は本書の中でマネージメントに関する法則や経験則を示している。「遅れているソフトウェアプロジェクトに対する要員追加は、そのプロジェクトをさらに遅らせるだけだ」といった「ブルックスの法則」は、ソフトウェア開発特有の難しさを指摘していて面白い。書名自体も、人(人手)×月(期間)という「人月」でプロジェクトの進捗を測る、という「神話」の誤りを指摘している。人を倍に増やしても、プロジェクトは半分の期間では終わらないのである。悲しいことに、これらのエピソードの多くは、現在の開発現場でもよく見られるものだ。 個々のエピソードや用語にはソフト開発についての知識が必要な箇所もあり、決して読みやすい本とは言えない。だが、多くのデータをもとにして論理的に展開されている組織論は、さまざまな分野のマネージメントにおいても有効だろう。もちろん、これからIT業界で活躍していこうという志を持つなら必ず読むべきである。将来、本書に書かれた通りの状況に遭遇する可能性は、決して低くはないのだから。 |