
――専攻の航空宇宙工学とは全く異なる分野ですが、なぜ金融業界への就職を目指したのですか
僕の一番の夢は、日本の航空宇宙産業を盛り上げることなんですが、それを叶えるためには、金融の世界へ進むという選択肢もあると気付いたんです。例えば、航空宇宙専門の民間企業が日本で立ち上がった時、投資銀行だったらそれを資金面でバックアップすることが出来ますよね。研究者になるよりも、こちらの方が、産業全体への貢献度は高いのではと思ったんです。ですから面接でも、常に航空宇宙産業を自分の『軸』として受け答えするように意識していました。僕は金融の知識はほとんどありませんでしたが、夢を熱く語ることで、面接官の方もそこを中心に質問してくれました。
――知識の不足は、金融業界を目指す理系学生に共通の不安要素のようです
そうですね、そんな中でとにかく僕が注意したのは、決して知ったかぶりをしないということ。就活を始めて数ヶ月で身に付けた知識なんてたかが知れてますから、そんなのを面接でひけらかしても逆効果だろうと。いつも最初に、『僕は何も知識はないです。ただ、これから吸収していく覚悟は出来ています』と言っていました。そうやって開き直ることで面接官の方にもいろいろと質問しやすくなりましたし、僕自身リラックスすることが出来たと思います。
――他に何か面接の際注意していたことなどはありますか
外資金融の選考は、大抵部門別の個人面接が4、5回あるものの、それほど特異な質問はされません。それでもやっぱり時々変な質問はあって、例えば『最近いつ泣いた?』とか『この辺においしいレストランある?僕が今すぐ食べたくなるようにプレゼンして』なんて聞かれたこともありますね。そういう時意識していたのは、あまり深く考えすぎずに、まずはパッと思いついた答えを言ってしまうこと。大事なのは、答え自体の面白さではなくて、その返答の理由をいかに論理的に説明出来るかであったり、深く掘り下げることが出来るかということなんです。それが分かっていれば、こういう突発的な質問が来ても慌てず冷静に対処出来るのではないでしょうか
――なるほど。それでは最後に、金融業界を目指す理系学生のみなさんにアドバイスをお願いします
金融業界に入ることで、自分の夢をどう実現できるのかというビジョンをしっかりと持ってください。夢へ到達するルートは一つではないはずです。あなたが金融業界を選ぶ理由は何なのか。それを面接官に伝えることが出来れば、きっと就職活動もうまくいくのではないかと思います。
榎 祐作さん
東京大学 大学院工学系研究科来春より米国系金融機関の投資銀行部門へ就職予定 |