有機物である植物を、デジタル・デバイスの一部として活用しよう。
そんな取り組みが、慶應義塾大学の田中浩也研究室で行われている。人間と植物の新しい関係を生み出そうとする「植物インターフェイス」とは、一体どんなテクノロジーなのだろうかーーー。
自然とテクノロジーの融合を目指して
産業革命以降、人類は多くの資源を自然から搾取し、高度なテクノロジーは様々な形で自然を破壊してきた。大気汚染、地球温暖化、異常気象……。「テクノロジー」と「自然」は現代を生きるわれわれにとって、もはや対義語であると言っても過言ではないだろう。
だが、そうした中、慶応義塾大学環境情報学部の田中浩也研究室は、両者をまったく新しい形で結びつけることを目指し、日々独創的な研究に勤しんでいる。現在、新丸ビル10階の『エコッツェリア』※にて行われている植物インターフェイス実証実験もその一環である。
「われわれにとって、自然とテクノロジーは、対極的なものであると同時に、男性と女性のように相互補完的なものでもあります。別々のものだからこそ両者は融合し、そこに価値が生まれるんです」
研究室の専任講師である田中氏がこう語るように、植物インターフェイスは、植物をコンピュータシステムの一モジュールとして取り入れた、まさに文字通り自然とテクノロジーを融合させる実験だと言えよう。
※三菱地所が2007年5月に創設した丸の内エリアの環境戦略拠点。様々な環境共生の取り組みを研究・提案・実践することを目的としている。