
現在エコッツェリアに展示されているのは、「プランティオ」、「ポケット・プランティオ」、「メリリウム」、「植物スピーカー」の4つ。そのうち、プランティオは、植物の生体反応を「光」という形式でアウトプットする装置だ。植物の表面には生体電位と呼ばれるマイクロボルト単位の非常に微弱な電流が流れているのだが、その電位は温度や湿度、振動、人間の接近、電磁波など周りの環境に応じて様々に値を変える。プランティオは、その変化の仕方を解析し、植物をある種の環境センサーとして利用しようとする試みである。
「通常の工業センサーの場合、温度センサーなら温度だけ、湿度センサーなら湿度だけと、一つのセンサーで取り出せるデータは一つに限られていますが、植物ならば単体で様々な環境情報を取り出すことができます」と、田中氏は植物をセンサーとして利用するメリットの一つを指摘する。
一方、植物スピーカーはそれとは逆に、植物を音声情報の出力装置と見立てたもの。エコッツェリアには、川のせせらぎや虫の鳴き声など、無数の自然の音が溢れているが、それらはすべて植物の葉を通じて流れてきている。一般的なスピーカーとは異なり、植物に振動を与えた結果生成された音は、無指向性になるので、どこからどこに向かって音が流れているのかわからないような、漠然とした独特の音響環境を作ることが可能だという。
「また、適度な振動は維管束の働きを活性化させるため、植物にとっても好影響があるんです」。人間は植物から流れてくる自然の音に癒しを与えられ、植物はその振動で成長を促進される。人間と植物の互いにとって利益のある関係を、植物スピーカーは構築できているというわけだ。