ENAXは、そのリチウムイオン電池の技術でトップクラスのテクノロジーを誇る企業である。身近なおもちゃやノートパソコンのバッテリーから、電気自動車や電車といったものまで、幅広く活躍する同社の電池について迫ってみよう。
自分たちならではのモノを作る
ENAXのリチウムイオン二次電池の特徴の1つは、見れば一目瞭然、その形状にある。電池と言われて一般的に連想されるような円筒形ではなく、厚さ5~7ミリ程度の非常に薄いシート状になっているのだ。
「自分たちが作る以上、今までのものと同じ形をしていても面白くない。普通に考える形状とは異なる電池を作ろうと考えたのです」と同社代表の小沢氏は語る。氏はかつて、ソニーでバッテリー事業本部の統括部長としてリチウムイオンバッテリーの開発と世界初の商品化に携わった人物である。それだけに「ソニーに居ても出来たこと、居た方が楽に出来たようなことをしても仕方がない」という考えなのだ。
電解質にポリマー、外装にはレトルト食品などに使われるようなアルミラミネートフィルムを用いることでこの形を実現しているのだが、この薄型構造によって高い放熱効果を得られ、円筒形の電池に比べて格段に安全性が向上しているという。
さらにENAXでは電池の製造法や材料、正極、負極のそれぞれに用いる材質などの特許を持っている。この電池は高エネルギー密度と高出力密度、そして高い安全性を併せ持つ、きわめて高性能なリチウムイオン二次電池なのである。だが、いかに高性能でも、カタログスペックだけでは意味がない。その性能を証明するため小沢氏は、かねてからの夢であり目標であった電気自動車の自社開発に乗り出したのだ。