鋳物は総合力
塗型材とは、鋳造工程で模型(鋳型)の表面に塗って使うものだ。鋳型を溶湯の熱から守り、鋳肌を美しくする役割がある。木村鋳造所では、他社が市販の塗型材を使う中で自社開発にこだわり抜いた。このこだわりは、化学にも詳しい一社員の存在により大きく品質の向上に寄与した。この塗型材の改善によって鋳物の品質が劇的に改善され、いつしか自動車用のプレス金型以外に、高い品質が求められる工作機械用の鋳物なども受注できるようになった。
「鋳物は総合力」。そう考えるようになった同社は、IT化にも力を入れる。CAD/CAMを導入し、模型製作の基本を図面からデータ利用へとシフトした。データ利用によりIT化が急速に進み、模型の高品質化、自動測定機の導入、加工の無人化、技能工からのロスのない技能伝承、複数人作業、模型製作期間の短縮等々が可能になった。その結果、競合他社にはない強みを手にし、世界から「FMC法なら木村鋳造所」と圧倒的な評価を得ている。
とはいえ、鋳造という「ものづくり」の基盤を支える産業の中で、FMC法が入り込めていない領域はまだまだ多い。例えばエネルギー業界では、超高低温の環境下に長時間置かれるケースも多く、信頼性が重視されるだけに、要求される品質の水準が極めて高い。木村鋳造所でもエネルギー業界で採用してもらえる鋳物の開発に、足掛け3年の歳月を費やしている。
「鋳造業の革命児になる。FMC法をすべての産業から必要とされる技術にし、基盤産業を支える企業にしていきたい。」これは、FMC法の導入時より長年技術の革新にまい進してきた経営者の信念である。FMC法にはまだまだ解決されていない技術的な問題が残されている。これらの課題をクリアできれば、新たな分野への進出の可能性が広がる。さらなる進化の道のりを一緒に歩む為に、材料、化学、ITのみならず、あらゆる分野を専攻した貴方を待っている。

※型に溶けた金属を流し込む注湯作業。型が砂でできている
ため、ばりがなく、加工の自由度も高い。