――リスク管理の仕事は、銀行の中でどのような役割を果たしているのですか?

 お金を必要とするさまざまな企業やお客様をサポートするのが銀行の仕事です。万が一にも業務を続けられなくなった場合、その影響は甚大になります。リスクを管理する部署の業務は、銀行が保有する資産の現状を把握し、最悪のシナリオも想定していかなる場合でも業務が継続できるよう、指針を示し適切に舵を取る仕事だといえます。
  新生銀行には、さまざまなリスク管理を担う部署があり、融資先企業の信用状況のモニタリングや、融資案件の審査をするクレジットリスク部、銀行の保有する資産全体の状況を分析してポートフォリオのリスクを管理するポートフォリオ・リスク統轄部などがあります。その中で私の所属する市場リスク管理部は、銀行の保有する株式や債券などの価格が変動し、バランスシートに影響を与えて損失が発生するリスクを管理する部署です。私は様々な資産の市場価値を日々確認して、リスク管理のシステムにデータを入力し、資産状況を分析する業務を任されています。分析結果を元に、株式や債券などを取引するトレーディングの部署に、「これ以上の取引はリスクが大きい」「まだリスクを負っても大丈夫」といった指針をリスク管理委員会を通じて伝え、資産バランスを適正に保つ役割を果たしているわけですね。時にはブレーキをかけることも求められますので、自分のマーケット観を持って「自分はこう思う」とはっきり主張することも必要です。

――入社後、業務を経験されたご感想は?

 「世界を相手に」とまでは言えないかもしれませんが(笑)、世界を身近に感じながら仕事ができるのは面白いですね。各国の市場を日々確認して、今後の動向についての分析を上司にレポートしているのですが、業務を通じて、アメリカの市場動向が日本にどんな影響を及ぼしたのかなど、各国のマーケットのつながりを感じることができます。世界の動きを思い描きながら働けるのが楽しいですね。
  大学時代に経済を専攻していたわけではありませんので、毎日新たに覚えなくてはいけないことがたくさんありますが、完全に理系の業務だけを任されるよりも、経済を学べて世界の情報に通じることができる今の仕事は本当に面白いです。

――理系出身であることは今の業務で役立っていますか?

 大学では画像圧縮や統計の研究をしていましたが、どちらの研究にも、数理モデルを利用して、過去データを分析したり将来を予測するということを研究していました。市場リスク管理部での仕事も、数理モデルを利用して過去のデータを打ち込んで、保有している資産のリスクを分析・予測するところは同じです。その点では、当時の経験が活きているのではないでしょうか。 日々の業務の中で微分積分なども頻出しますから、数字・数学に強くないと務まりません。、数字を基に分析することが好きであることが、より重要な条件かもしれませんね。  
  これから就職活動を迎えることになる理系の皆さんには、自分が何に向いているか正面から向き合って考えてほしいです。そのためには、前向きに多くの人と積極的に会ってみてください。自分が向いていることは意外と他人が気づかせてくれることが多いと思いますので。

 

1日のスケジュール
09:00 前日のマーケット動向を上司にレポート
その後、今日のマーケットデータを管理システムに入力する。
11:30 ランチ
12:30 マーケット情報の収集。マーケットデータの入力の続きを行う
15:00 ディスカッション
部内ミーティングにおいてディスカッションを行う
17:00 新しい知識を習得するために情報収集や調査をする