――アクチュアリーの仕事とは?

 当社の生命保険業務でお答えしますと、ひとつは保険商品の保険料率や配当率の設定です。簡単に言うと、万が一の事故や病気が発生したときに当社からお客さまに保険金をお支払いするために必要な掛金、つまりお客さまに月々お支払いいただく保険料を算出しています。
  そしてもうひとつが、責任準備金の評価を行うことです。責任準備金とはお客さまにお支払いいただいた保険料から、実際に保険金をお支払いするときのために、保険会社が積み立てておかなければならない一定の金額のことです。この金額は保険会社の負債の90%以上に相当します。また、決算においては収支のとりまとめ・分析作業なども行っており、決算時期は仕事が集中しますから、専門的なスキルのほかに体力や精神力も必要ですね。

――損保と生保でのアクチュアリーの仕事の違いは?

 損保は1年満期などの短期間の商品がメインですが、生保の場合は何十年にもわたる契約が多く、損保とは違った意味での複雑な計算が求められます。
  例えば当社には、ガンなどにより働くことができなくなったときに、年金をお支払いするような商品があります。こうした保険商品を企画するためには、データを集めて中長期的な各種疾病の発生率を推定したり、医学的な知識に基づいて今後のトレンドを考えることも必要です。理系の業務のなかでも、緻密な計算を行うだけでなく、幅広いジャンルの情報を俯瞰して総合的に判断する部分が多い仕事になりますね。

――例えば、生命保険会社のどんな部署でアクチュアリーが活躍できますか?

 アクチュアリーは資格試験のコースが生保と損保、年金の三つに分かれています。このうち当社が手掛けるのは、
生保と年金のふたつです。
  わたし自身は主計部団体数理課に所属していて、ここで団体年金・団体保険商品の料率設定と決算を担当しています。このほかに年金事業部の企業年金数理室という部署でも、多くのアクチュアリーが活躍しています。また、商品開発にも専門知識が必要なので、それぞれの部署で多くのアクチュアリーが活躍しています。

――アクチュアリーの醍醐味とは?

 これは当社のケースですが、現在、第一生命ベトナムという海外生保子会社があり、そちらに対するアクチュアリー業務のサポートも本社から行っています。
  日本の生命保険業界は、既に非常に成熟していますが、発展途上国などでは、まだ生命保険が普及しておらず、これからの大きな成長が見込まれています。現在のベトナムは高度成長初期の日本に例えられることもありますが、ベトナムの生保業界も、現在の日本とは比較にならない速さで発展していると思います。われわれからのノウハウ提供や指導を行っていくことによって、そうした生保業界の発展に寄与し、現地で暮らす人々の生活レベルの向上や社会保障基盤の充実をダイナミックに実感していけるわけで、これはアクチュアリー冥利につきると言えるでしょうね。

 

1日のスケジュール
09:00 出社してメールをチェック
10:00 部署内でのミーティング
12:00 ランチ
13:00 他所管とのミーティング
15:00 資料調査
19:00 帰宅