――仕事の内容について教えてください。

 私は傷害長期保険部の積立チームに所属していまして、積立型の保険商品を扱っています。自動車保険や火災保険に特化した部署もありますが、積立型の商品であれば火災、傷害、年金と何でも扱っているところが積立チームの特徴ですね。
  損害保険のアクチュアリーは、所属部署にもよるのですが、業務の対象が比較的広いと思います。カバーする損害の種類に応じて、さまざまな商品が存在しますし、業務内容も数理や商品開発だけではなく、業務フローの構築や、営業支援といったところまでかかわります。商品を開発しても、業務がうまく回らないと会社として売ることができません。ですから、金融庁への認可申請から、システム部門との打ち合わせ、事務部門との調整なども担当になります。もっと言うなら、営業用のパンフレットやチラシとかも作っています(笑)。印刷業者との打ち合わせも、重要な仕事ですよ。

――計算ばかりやっているイメージでしたが、損保の仕事は違うんですね。

 何でもやりますから、さまざまな知識が必要になります。日々勉強です。
  アクチュアリーになるまでは、システム部門に12年間所属していましたが、今の仕事に就いてから本当にいろんなことを学べています。例えば法律や税務の知識、もちろん数理の知識もですが、これまで味わえなかった経験を積めていますね。

――損保と生保の仕事の違いは、ほかには?

 生保や年金のアクチュアリーが扱う数理とは大きな違いがあると思います。生保は対象期間が長いので何十年先のことを見通して、不確実性を吸収する商品の設計やプライシングを行っていますが、一方の損保は、経済環境や社会環境の変化により単年度の収支変動が大きいという特徴があります。例えば、自然災害の影響で長期間安定していた収支が一気に悪化することも起こりえます。ですから、これらの環境変化を踏まえた商品設計をしていく必要があるんですね。

――損保アクチュアリーとして重要なことは?

 アクチュアリーの試験は基礎科目と専門科目に分かれていて、実は基礎科目で合格しても、そこで挫折してしまう人が大勢います。専門科目になってから論文の試験が課されるんですが、「保険会社の経営を安定させるためには」といった問いに対する考え方やアイデアが試されるのです。専門科目の試験を通して身につけたことは、今の業務で本当に役立っているんですが、結局アクチュアリーは数学だけでは駄目なんですね。自分なりに会社の経営とか保険の理想の在り方をイメージして、考えを述べられないといけないんです。

――「アクチュアリー=数学」というイメージとかなり違いますね。

 もちろん理系のセンスは必要ですが、損保アクチュアリーに向いているのは理系文系関係なく、しっかりとした考えを持ち、イメージを具体化できる人でしょう。「会社がこうなればいい」と常に考えている人が向いていると思います。「経済の知識が必要では」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大学時代に経済を専門的に勉強していなくとも社会人になってしっかり勉強すれば、問題はないと思います。
  理系のセンスは、システム部門でも営業部門でも役に立つと思いますが、アクチュアリーは理系のセンスが活かせる、魅力的な仕事だと思いますよ。

 

1日のスケジュール
08:30

出社

10:00 関連部署と新商品開発の打ち合せ
12:00 ランチ
13:00 チームミーティング
17:00 新商品に関するシステム対応の要件を作成(デスクワーク)
20:00 帰宅