論理的思考力や数理的能力など、理系の汎用的な能力を求める企業が増えるなかで、専門性を武器に就職活動する理系学生は以前に比べると減少傾向にある。特に学部卒の場合、その研究内容が問われることはほとんどない。大学時代にオペレーションズリサーチを研究してきた構造計画研究所の相澤さんは、研究と仕事が直結している珍しい例だろう。専門分野をどのように生かして活躍されているのか。その仕事について伺った。

――就職先に構造計画研究所を選ばれた理由を教えてください。

 実は、私が構造計画研究所を知ったのは、学生時代にたまたまアルバイトをしていたからなんです。その時は、コーディングなどの簡単なお手伝いをしていました。
  もともと私は大学を卒業したら就職したいと考えていましたが、当時は女性の就職自体が厳しい時代でした。社会の第一線で活躍するためには、何か際立った技術を持っていないと難しかった。手に職をつけるつもりで理系に進学し、理工学部の経営工学科で「オペレーションズリサーチ(OR)」を研究していたんです。就職活動をする際に「ORを生かせる仕事は何だろう?」と考えて、選択肢に挙がったのが構造計画研究所でした。
  実際にアルバイトをしていたので、会社の雰囲気を知っている事もありましたが、決め手となったのは、大学で学んだORをズバリそのまま生かせるということ。ORについては後述しますが、多様な業界を対象として、さまざまな課題を科学的なアプローチで解決するという事業内容は、まさにORの手法そのものですね。ここなら自分の強みを生かして活躍できるだろうと思いました。
  また、その頃は就職を考える女性すら少なかった時代ですが、同期の技術職11名のうち7名が女性で、自分たちの先輩の代も多くの女性が活躍されていました。当時にしては異色な会社でしたが、男女わけ隔てなく活躍できる環境がある点にも働きやすさを感じました。

――入社後は、具体的にどんなお仕事をされてきたのですか?

 入社後は土木技術部の中のOR研究室に配属されて、主にORを適用した業務を担当してきました。ORというのは、ある問題に対して科学的に分析しモデル化を行い、数理計画法やシミュレーションを用いて、コストや時間などを最適化するための解決策を導き出すという手法です。戦略コンサルと違うのは定性的改善策だけではなく、定量的なプロセスに基づいて改善策を導き出すというところですね。製造業や情報通信、建設、流通、交通、電気・ガスなど、対象分野はさまざまです。
  例えば製造業のケースだと、昔は少品種・大量生産が主流でしたが、時代と共に多品種・少量生産へと移行して、生産効率が非常に重要視されるようになりました。生産ラインのバランスを良くするためには、どういう機械を導入すれば効率が良いか。どうすれば人の配置やモノの流し方などを最適化できるか。そういったことを、ORに基づいて提案しています。そのほか大規模なプロジェクトですと、ロックフィルダムの建設シミュレーションや、LNG船の運行計画策定システムの構築・運行スケジューリング・受け入れ基地操業シミュレーションを担当してきました。

1    >>次ページ