今や多くの就活生にとって、サマーインターンへの参加はスタンダードになりつつある。だけど、あなたはなぜインターンに参加しようとするのだろう?
『その後の就職活動に有利だから――』
『まわりの友達がやるっていうから――』
今そんな答えが頭に浮かんだ人は、そもそもなぜ企業がインターンを行うのかを、もう一度おさらいしておく必要がありそうだ。そこには、学生がインターンで学び取るべきことは何かという問いへのヒントがある。

イメージからは見えないもの


 一般消費者向けにビジネスを展開する企業というのは、概して学生への知名度が高く、人材の採用にも人が集まりやすい傾向があるようだ。確かに、対企業でビジネスを行う企業に比べ、扱っている商品・サービスが身近なものであるだけに、入社後の仕事はイメージしやすく、またそれが志望動機にも結びつきやすい。
  だが一方で、学生の抱くそうしたイメージが、実は単なる「思い込み」に過ぎず、実際の業務とは大きく隔たっている、というケースは多い。これらは「入社前/入社後のギャップ」という問題意識として、今や多くの就活生に共有されてはいるが、依然として多くの企業でギャップを理由に辞めていく新卒社員は後を絶たないという。加えて、そのようにイメージばかりに注目が集まってしまう結果、就職に臨む学生の想像力がしばしば、企業活動を続ける上で必要不可欠な「目に見えない」業務にまで及ばないという問題もある。
そして、人材採用上のこうした問題は、皮肉にも企業がブランド力を持っていればいるほど、顕著なものとなってしまう。それは、飲料・食品メーカーとして「伊右衛門」や「BOSS」といったヒット商品を多数世に送り出しているサントリーにとっても、例外ではなかったという。

サントリーがインターンを行う理由


 「第一に、食品メーカーの研究開発現場を体験できる機会を、学生に提供したかった。第二には、サントリーという会社の中に、技術職の活躍できる領域が実はこんなにたくさんあるんだということを知ってもらいたかった」
  サントリー人事部の成瀬氏は、理系学生を対象とした「技術系インターンシップ」を開始した理由をそう明かす。そして、その基本思想は、6年目を数える今年のインターンにおいても、大きなぶれを見せてはいない。

 同インターンで学生が体験できる職種領域は、「生産技術研究」と呼ばれる分野。「食品メーカーの技術職」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはりプロダクトの「中身」に携わる商品開発の仕事だが、生産技術研究者は「製造ライン」、すなわち商品を世に送り出すまでのプロセスを担う。商品開発に比べ、飲料・食品メーカーのサントリーという「イメージ」からは、なかなか見えづらい部分ではあるが、成瀬氏が「両者の仕事は車の両輪のようなもの」と強調するように、生産技術の研究が企業活動にとって極めて重要であることは間違いない。

 インターンの期間は約2~3週間。学生の志向やバックグラウンドなどから配属が決まり、社員と同じように週5日間フルタイムで業務へコミットすることが求められる。おもしろいのは、プログラム内容として用意されているのが、「答え」のある課題ではないという点。参加者は、今まさにサントリーのものづくりの現場が抱えている課題解決への道筋を、「コーチャー」と呼ばれる先輩社員の助けとともに体感することができる。
  コーチャーがいるとはいうもののインターンシップ用に用意された答えのある課題ではないため、実験を元に成果を出すも出さないも本人のアプローチ次第。参加者は3週間という限られた期間の中で、それに対し自分なりのソリューションを提示しなければならない。サントリーがインターン生に求めるのは、あくまでも主体的な課題発見及び解決の能力。それが、エンジニアにとって必要不可欠な姿勢であり能力であることは、いまさらここで断るまでもないだろう。

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