―ノートPCの開発とは、具体的にどのようなことをするのでしょうか。
ノートPCの開発部隊は、エレキ、メカ、ソフトなど複数のグループで構成されます。私が所属するエレキでは、ノートPCの基板(いわゆるマザーボード)の開発を担当しています。具体的には、ロジック(回路)設計や、実際に基板にどのようにICチップなどの部品を配置して、どのように配線するのか、といったことをデザインしていきます。
基板の開発には、他部門と密接に連携していくことが不可欠です。例えば、基板から発生する熱を効率的に排出するためには、基板上の部品の配置だけでなく、筐体(PCのケース)の形状も重要になります。また、試作品ができれば、様々な試験を行い、時には工場とも話し合って解決していかなければなりません。開発というと、研究所にこもってコツコツと研究しているイメージがありますが、部品選定のための国内外の部品メーカーとの交渉、海外拠点とのやりとりも多くある職場です。
この他、例えばメカは筺体や細部を含めた機構設計全般の、ソフトはBIOSやドライバ、ユーザー支援アプリケーションなどの開発をそれぞれ担当しています。
―IBMの良い社風を引き継いだ、快適な開発環境だとお聞きしました。
とてもフラットな組織で、働きやすい環境です。勤務時間も、自由裁量の部分が多くあります。私の場合は、子どもを保育園に送ってから出社しているので、グループの中では遅く出社している方です。
また、長い時間会社にいれば良いという考え方もありません。生産性を上げることが常に意識されます。そして、決められた期間と予算の中で、求められる結果を出すこと。このことが重要です。プロフェッショナルは結果が勝負です。そして、私たちの出す結果とは、最高のThinkPadを作り出すことなのです。
勤務時間と同様に、仕事の進め方も個人に任されている部分が多くあります。当然ながら、自分で自由に進められる分、責任も大きくなります。しかし、チームとしてのサポート体制は充実していますし、やり遂げたときの達成感、やりがいといったものも、プレッシャーを感じた分だけより大きく感じることもできますよ。
―どのような学生さんが開発に向いていると思いますか。
大学での専攻分野はそれほど問題ではありません。私自身も、学生時代は物理学で素粒子について研究していました。ただ、「ものづくり」や「技術」には非常に興味がありましたね。何を専攻していたかよりも、何に興味があるか、何に情熱を注げられるか、が重要な点です。
もう一つ重要なことは、コミュニケーション能力です。特に、これから一緒に仕事をしていく人には、いくらPCに詳しくてもきちんと会話できない人よりも、PCについて何も知らないけど円滑なコミュニケーションがとれる人の方がウェルカムです。
そしてなにより、最高のThinkPadを創りたいと想っている人と一緒に仕事をしたいですね。
ノートブック開発研究所 システム技術 第一システム技術
中村 佳央(なかむら・よしお)
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