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データマイニングの適用分野は、製造業・流通業・サービス業・通信業・金融業など多岐に亘ります。例えば、顧客が携帯電話を解約する兆候を事前に検知して、お得なキャンペーン情報を告知したり、商品がどれくらい売れるか分析し、供給量を調整して機会損失を減らしたりということに活用しています。
あと、金融機関のリスクマネジメントも多いですね。デフォルト率(貸し倒れ率)や信用リスクを分析するほか、顧客の年齢や収入、勤続年数などのデータを基に、「具体的にいくらまでだったら融資しても回収できるか」ということもデータマイニングのシステムで即座に算出します。今だと、クレジットカードの不正利用防止にも活用されています。顧客の利用履歴データから通常ではありえない使い方をする確率を計算して、その確率が一定以上になったらカードを止めてしまうとか。あまりすぐに利用停止すると苦情がくるので、その辺りは微調整しています。データマイニングは非常に難しい技術なので、一般の企業ではすぐに出来ません。コンピュータで膨大なデータを解析するので、ITスキルが不可欠になります。
企業のあらゆるデータを分析するには、エクセルでの処理だけでは不可能です。そうなるとデータベースの設計が必要になるし、自在にデータを取り扱うためのプログラムも作らなければならない。ある程度高度なITスキルとデータ解析の知識が求められるため、誰でも出来ることではないと言えるでしょう。かなり気合いれて勉強しないといけないからこそ、データマイニングスペシャリストは市場価値の高い職種なのです。
BI(ビジネスインテリジェンス)という経営層などが自ら分析を行い、迅速に意思決定を行うためのシステムがありますが、スペシャリストになるためにはこれらの蓄えられたデータをどう処理するかをわからないといけません。データを見る力が非常に求められます。「経営指標が何か」「どう計算したらこの指標が出るか」「数値の推移からどう予測していくか」……など、ひとつひとつのデータの意味を理解しないといけない。ビジネススキームもある程度わかってなければならないし、お客様と対応に話ができないといけないので、コンサルタント的な素養も必要になるでしょう。
データマイニングスペシャリストも、システムを組み込むという点ではシステムエンジニアの仕事と似ています。しかし、その目的は大きく異なります。システムエンジニアがお客様の要望に応じて成果物であるシステムを作るのに対して、データマイニングスペシャリストはビジネスで成果を出すためのシステムを作ります。重要なのは、お客様に利用してもらい、いかに業務を効率化させ、いかにリスクを低減できるかなんですね。
理系学生も、化学や物理学などで何らかの結果を出すために、データを集めたり分析したりすると思います。数学やコンピュータを活用して、仮説に基づいて検証を行う。それって、非常にデータマイニングの仕事と似ていますよね。大学で学ぶ事が、データマイニングスペシャリストになるための訓練と同じと言っても良いでしょう。
データマイニングの技術には、大きな可能性があります。過去の地震データを分析して発生率を算出したり、モバイルユーザーの利用履歴からその人が行きたい場所を紹介したり、データマイニングスペシャリストによって様々なサービスが実験されています。優秀な人材が集れば、新しいビジネスだって創り出すことができる。理系学生の皆さんにも、ご自身の素養を活かせるマーケティング業界で、社会でご活躍するチャンスを掴んで頂ければと思います。